痛風は高尿酸血症が原因の関節炎で、「風が当たっただけでも痛い」と言われるように、関節が腫れて激痛が走る症状で知られています。(名前については、風が吹くように痛みが強くなったりやわらいだりするからなどとも言われています)。男性がかかる場合がほとんどですが、近年では女性の患者(特に年配の方)も増えてきています。
ある日突然関節が赤く腫れて痛みだします。体温の低いところほど症状が出やすいので、足の親指の付け根が痛みだすことが多く、その他には足首、くるぶし、ひざ、手首、ひじなどの関節にも症状が出ることがあります。痛みはかなり激しく、足に症状が出た場合は歩くことが困難になるほどです。高熱が出る場合もあります。
痛みと腫れは数日間続きますが、その後すっかりと治まります。しかしそのままにして置くと必ず再発し、発作の頻度、時間が増し、重症化していきます。
痛風は血液中に含まれる尿酸の濃度が高くなると発症します。尿酸とは腎臓で ろ過 されて尿と一緒に排出される老廃物で、体の中で次のようにして作られます。
このように尿酸は体内で自然に生成され、尿と一緒に排出されますが、そのバランスが崩れると、血液に含まれる尿酸の量が増えすぎて「高尿酸血症」となります。
高尿酸血症を放置しておくと、尿酸の結晶(尿酸塩)が関節に蓄積し、それによって起こる炎症反応が痛風の痛みや腫れとなります。
女性の痛風患者が少ないのは女性ホルモンが尿酸を体から排出するのを促す作用があるからです。そのため更年期(閉経後)になって女性ホルモンの分泌が減ると尿酸値が高くなりやすくなります。