尿酸値(血液1dL中の尿酸の量)の正常値は成人男性で4.0〜6.5mg/dL、成人女性で3.0〜5.0mg/dLぐらいとされています。男女とも7.0mg/dLを超えると高尿酸血症とされます。この7.0mgという数値は尿酸が血液中に溶けることのできる量の上限値でもあり、これを超える尿酸は体の中で結晶化しやすくなります。
高尿酸血症は尿酸の生成(産生)と排出(排泄)のバランスによって次のように分類されます。【】内は日本での患者の割合です。
高尿酸血症は痛風だけでなくさまざまな病気の原因となり合併症を引き起こす場合もあります。
高くなった尿酸値を下げるには薬による治療だけでなく、食生活や運動などの生活習慣の見直しも必要です。
アルコールは体内で分解される時に尿酸が生成されるのにくわえ、分解の際に生じる乳酸が尿酸を体外へ排出するのを抑制するので尿酸値が高くなる原因となります。できれば休肝日をもうけましょう。
尿酸値を上げないようにするための1日の飲酒量の目安
プリン体を多く含む食品を摂りすぎないようにします。またプリン体は水溶性なので、ラーメンのスープや肉汁などにも多く含まれています。これらの摂りすぎにも注意が必要です。
プリン体の多い食品・・・レバー、白子、たらこ、エビ、干物など
詳しくは尿酸値と食品のページをご覧ください。
水分を多く(普段より1リットルくらい多く)摂り、尿の量を増やして尿酸の排出を促します。ただし糖分を含むものは肥満の原因になるので避けるようにします。また腎臓に障害がある場合は水分の摂取が制限される場合があるので注意が必要です。
尿酸は尿が酸性だと溶けにくい性質があります。尿を酸性化する食品を控え、尿をアルカリ化する食品を多く摂るようにします。
尿を酸性化する食品・・・卵、豚肉、さば牛肉、アオヤギ、カツオ、ホタテなど
尿をアルカリ化する食品・・・ひじき、わかめ、こんぶ、ごぼう、さつま芋など
詳しくは尿酸値と食品のページをご覧ください。
肥満と高尿酸血症は相関関係にあります。とくに内臓脂肪が多いと尿酸の産生が促進され排泄も抑制されます。
散歩、ジョギングやサイクリングなど適度な運動(有酸素運動)は肥満の解消につながります。ただし筋力トレーニングなどの激しい無酸素運動によって生じる乳酸は尿酸の排泄を抑制する原因となります。